大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ネ)757号 判決

債権の仮差押決定が発せられ送達されたときは、その送達は、裁判の告知であると同時に該仮差押決定の執行であるという二面の性質を有し、もし仮差押債務者の第三債務者に対する債権が実際は存在しないときは、これにより債権仮差押決定は執行不能とはなるが、仮差押決定そのものが無効となるものではない。そして債権の仮差押決定が告知によつて効力を生じたときは、被保全権利について従前の事実状態を破る新たな権利主張がなされたことになるから、これによつて被保全権利につき時効中断の効力を生じ、仮差押の目的たる債権が控訴人主張のように実際上存在していなかつたため仮差押の執行が不能に帰したとしても、時効中断の効力には影響がないものと解すべきである。本件において、証拠によれば、被控訴人は控訴人に対する本件売掛代金債権残額九十四万七千九百九十九円五十銭全額を被保全権利として仮差押命令を受けたことが明らかであり、右仮差押決定が取消されずに現に存続していることは当事者間に争がないから、消滅時効はなお中断中である。

(小沢 池田 宇野)

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